中小企業診断士における財務・会計を学ぶ意義とは?
中小企業診断士における「財務・会計」を学ぶ意義とは?
企業経営には、経営資源(ヒト・モノ・カネ・ノウハウ)が必要ですが、
その中でも「カネ」は最も重要な経営資源のひとつです。
企業が創業する際には、その事業規模に応じた資金を調達することが必要となり
ます。また、企業規模が大きくなり、経営の多角化や新規事業への進出、さらに、
それに伴う設備投資や研究開発を実施する場合には、そのための資金調達を無視す
ることはできません。
経営に資金調達は不可欠なものですが、企業が必要な資金を効率よく調達するためには、
ステークホルダー(利害関係者)に対して企業の財政状態や経営成績などを財務諸表として正確に伝えることが求められます。
さらに、その財務諸表をもとに企業の経営状態を分析することは、資金提供者の意思決定にも、企業のマネジメントにも有用です。
一方、企業の経営者もしくは財務担当者は、必要な資金をできるだけ低コストで調達することが必要です。
また、調達した資金を有望な事業に投資し、調達コストを上回る成果をあげることが求められ、
そうすることで企業価値が向上します。
ただし、どの事業に投資しても必ず一定の成果が保証されるとは限らず、
成果にばらつきが出るといったリスクの存在を認識することが必要です。
中小企業診断士としてお仕事をしていくなら、ITやマーケティング、生産現場の改善など、
様々な専門分野を持って活動していくことと思いますが、
上記財務分析の基礎的な部分は、それら専門性の土台として機能することになります。
全ての企業活動は必ず結果としてお金の出入りになり、それを分析することにより、
中小企業診断士としての提案の糸口が見つかり、提案実行の結果の評価も最終的にはお金の出入りで判断されるはずだからです。
故に、財務(=数字)に弱い中小企業診断士は社長から頼りにされません。