【ブログ】ストーリーテリング-組織の課題と変革の方向性
企業変革の現場で見落とされがちなのが、「ストーリーテリング」の重要性です。この点について、KEC中小企業診断士講座のマネージャーとして、日々教育の現場に立つ私が、特に感銘を受ける部分があります。
変革のプロセスは、単に新しい戦略や施策を導入すること以上の意味を持ちます。それは、組織全体が一丸となってその変革を体現し、進めていく過程です。しかし、実際にはその変革に対し、組織内のメンバーが自発的に動くことは難しいとされます。これは、教育の現場でも同じで、新しい知識や技術を導入する際に、単に「これは重要だから学ぶべきだ」と説明するだけでは、学ぶ側のモチベーションはなかなか高まりません。
重要なのは、変革の主体となる各個人が、自分自身もその一部であると感じることができる「参加の感覚」を生み出すことです。これを実現するためには、ストーリーテリングが非常に有効な手段となります。例えば、サティア・ナデラ氏がマイクロソフトの変革において、自身の個人的な経験を通じて語りかけたように、ストーリーを通して、メンバー一人ひとりが変革に対する共感や参加意識を持つことができるのです。
私たちが提供する講座でも、単に知識を伝えるのではなく、その知識がどのように実生活や実業務に活かされるのか、具体的な事例やストーリーを交えて伝えるよう心がけています。これは、受講生が学んだことを自身の業務や生活に積極的に取り入れ、実践してもらうためです。
結局のところ、変革を成功させるためには、それぞれのメンバーが「私たち」の一部として自発的に動くことが不可欠です。そして、そのためのキーポイントが「ストーリーテリング」にあると、改めて認識させられました。